にしむらフローリスト

花屋の一大イベントである｢母の日｣が終わって一週間。

毎日、色々な切り口から、思うこと、感じたことがありました。

「母の日の楽しみ｣と言えば、売上はさることながら、やはり、お届けに行ったときの｢お母さんの笑顔｣を見れることです。様々な苦労もこの｢うれしそうな笑顔｣を見ると吹っ飛びます。花屋の醍醐味ともいえます。

(売上はさほど楽しみではなくなっていました。コストに対して思うような数字ではなくなってきています）

　残念なことに私は今年、ほとんど配達に行きませんでした。もっぱら作業場で伝票とにらめっこしながら、アレンジメントを作っていました。以前、お届けに行ったときに見た笑顔を思い出しながら。ほとんどの商品は私が作りました。

　近年、母の日ギフトも嫁から義母へとか、弟子から師へとか、上司へとか・・・・拡大されています。

その中でも｢子から母親」への感謝を込めたギフトは格別なものです。日頃、こどもに惜しみない愛情を注いで、犠牲をもいとわない母親がほんのちょっと報われる一日です。

私も土曜日の夕方、時間ができたので、自分の母宛てにカーネーションのアレンジメントをこしらえ、宅急便で発送しました。

毎年送るたびに｢もういらないから。｣といわれていました。今年も言われるだろうな・・・と思いながら送ったのです。

日曜日、お昼頃、母から｢ありがとう。みんな元気？どうしてる？｣の電話がありました。喜んでくれたようです。
「モノよりコト」　　　　　世の中でおきていること、自分におきたこと・・・。痛感しました。

ビジネスとしての母の日。4月の悪天候による日照不足、５月に入ってからの好天高温、連休明けすぐの母の日・・・・・と条件の悪い環境の中での商戦でした。

5 月にはいるまで｢日照不足でカーネーションが咲かず、母の日に品薄｣という情報が流れ、ニュースにもなりました。
｢母の日ウィーク｣の｢いつ｣カーネーションの仕入れをするか?・・・・・。悩みました。
結局、一番入荷量の多いであろう月曜日に仕入れもすることにしました。
水曜日、金曜日の仕入れだとつぼみのものしか出荷されない恐れがあるからです。
(この予想は大きく外れました。連日の好天、高温で開花が進みました。水曜日も金曜日も潤沢な入荷がありました。でもせいさんしゃには貢献できたことでしょう）
香川、千葉のブランド生産者ものもだけを選りすぐり、仕入れました。満足のいく仕入れができたはずでした。

ところが連休中の真夏のような好天。連休を楽しむ人たちにはまことに良いお天気だったのですが、われわれ花屋にとっては鮮度管理に苦労しました。毎日、すべてのカーネーションの花瓶の水を換え、茎を切り戻しました。(当店は冷蔵庫を使っておりません）
　もしも、品薄で仕入れが間に合わないことを想定して、手配していた｢コロンビア産カーネーション」
こちらはやはり、この高温でだいぶ傷み、捨てたものもありました。
28回目を迎えた母の日。何回経験しても思うようにはしてくれません。

もうひとつ思ったこと。アジサイの鉢。カーネーションの鉢と並び、アジサイの鉢のギフトが増えています。

今年は特に天気が良く、暑かったこともあり、アジサイの鉢の水切れが多かったように思います。
葉や花の大きさに比べ、鉢が小さく、保水能力が足りないように思います。生産者の方は消費者が扱いやすい商品にして、出荷をして欲しいと思いました。そして、競り人は｢見た目｣だけでなく、その生産者の努力が報われるよう、われわれにアピールをして欲しいと思います。私たちもそういう商品であれば、高く買います。

今年、アジサイの鉢をもらって枯らしてしまったお母さんも多いのではないでしょうか?・・・。

さて、｢モノよりコト｣。私たちも7時半に店を仕舞い、家族とスタッフで環七そばの｢イタリアンレストラン｣に行きました。連休中、遊びにも行かず、ずっと仕事をしてくれたスタッフに感謝。
ハードワークの後のワインとピザの味は格別でした。